ばあちゃんのぼけは日に日に進行してゆき、次第に家族の顔もわからなくなった。 お袋のことは変わらず母ちゃんと呼んだが、それすらも自分の母親と思い込んでいるらしかった。 漏れと親父は、ばあちゃんと顔を合わせるたびに違う名前で呼ばれた。あるとき漏…
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